「新自由主義」とは何か?また経済学者「ミルトン・フリードマン」についてまとめてみる

「新自由主義」とは何か?また経済学者「ミルトン・フリードマン」についてまとめてみる

# 「新自由主義」とは

政府などによる規制の最小化と、自由競争を重んじる考え方。規制や過度な社会保障・福祉・富の再分配は政府の肥大化をまねき、企業や個人の自由な経済活動を妨げると批判。市場での自由競争により、富が増大し、社会全体に行き渡るとする。

# 「新自由主義」が生まれるまでの経済史

## セイの法則

「非貨幣市場の総供給と総需要が常に一致する」という原則。
アメリカでは、長らく「市場に全てを任せることで経済はうまくいく」という考え方が支配的で、「モノは作っただけ売れるはずで、供給が足りないから不況になる」と広く信じられていた。

「供給は自ら需要を作りだす」として、商品は作りさえすれば、価格調整機能がはたらき、売れ残りはいずれなくなる仮定した古典派経済学の考え。この考えは、生産手段が未成熟な時代には適合した。

## ケインズ経済学

しかし、産業革命がすすみ、1929年におきた世界恐慌という事態を古典派経済学では説明できなくなった。セイの法則では失業問題を説明できないとして、ケインズ経済学がうまれた。

ケインズは「需要が足りないから不況になるのだ」と主張し、需要を作り出すためには減税や公共投資によって社会にお金を回し、波及的な効果が幾重にも積み重なること(乗数効果)によってさらに消費が活発になるのだ、と唱えた。

## ニューディール政策

その後、大統領となったフランクリン・ルーズベルトはこの考えに基づき、公共事業への大幅な支出と大規模な雇用政策を行った。

## スタグフレーション

しかし、経済成長が続いていた時代にケインズ的政策や為替の自由化を進めてインフレが加速する一方で、1970年代のオイルショックによって経済が停滞すると、失業者が増えるようになった。物価が上がるのに賃金が増えない状態に陥った。

「この原因は、政府の規模が大きくなったことで非効率化が進み、多くの規制や税の負担が自由な経済活動を妨げていることにあるのだ」という考えが広まった。

# 「ミルトン・フリードマン」とは

リバタリアン。
アメリカ合衆国の経済学者。古典派経済学とマネタリズム、市場原理主義・金融資本主義を主張しケインズ的総需要管理政策を批判した。ケインズ経済学からの転向者。共和党支持者。1976年、ノーベル経済学賞受賞。

リバタリアニズムを経済政策に適用しようとし、ケインズのような考え方の政策を、自由を阻害するものとして批判した。

義務教育、国立病院、郵便サービスなどは、公共財として位置づけるのではなく、市場を通じた競争原理を導入したほうが効率的であると主張した。著書『資本主義と自由』において、政府が行うべきではない政策、もし現在政府が行っているなら『廃止すべき14の政策』を主張した。

## リバタリアニズム

個人の自由権を絶対的に重視し、それに制約を加える国家の役割を最小限度にとどめようとする思想。

# 廃止すべき14の政策

  • 農産物の買い取り保障価格制度。
  • 輸入関税または輸出制限。
  • 商品やサービスの産出規制(生産調整・減反政策など)。
  • 物価や賃金に対する規制・統制。
  • 法定の最低賃金や上限価格の設定。
  • 産業や銀行に対する詳細な規制。
  • 通信や放送に関する規制。
  • 現行の社会保障制度や福祉(公的年金機関からの購入の強制)。
  • 事業・職業に対する免許制度。
  • 公営住宅および住宅建設の補助金制度。
  • 平時の徴兵制。
  • 国立公園。
  • 営利目的の郵便事業の禁止。
  • 国や自治体が保有・経営する有料道路。

# 提案・支持したアイディア

  • 負の所得税
  • 教育バウチャー
  • 郵政民営化・道路公団民営化

## 負の所得税

一定の収入のない人々は政府に税金を納めず、逆に政府から給付金を受け取るというもの。

ミルトン・フリードマンは生活保護や雇用保険といった社会保障をすべて「負の所得税」によって置き換えることを提言した。たとえばいま、生活保護の受給者を行政が決めているが、それでは行政の負担が大きくなる上に、裁量が入ることになり生じてしまう不公平を是正することを目的とする。

## 教育バウチャー

教育バウチャー制度とは、子どもをもつ家庭にバウチャー(Voucher)という一種の現金引換え券を交付したうえで、保護者や子どもが自由に学校を選択し、学校は集まったバウチャーの数に応じて行政から学校運営費を受け取るという仕組みのこと。

参考サイト