1年半ほど勤めたブラック企業を退職しました

1年半ほど勤めたブラック企業を退職しました

やっとという感じでもあり、あっという間という感じでもある、そんな時間感覚を抱きながらこの記事を記したいと思う。

# どうして入社しようと思ったのか?

前々職は、マークアップエンジニアとして働いていたが、もともとバックエンドエンジニアとして働くことを希望していたため、

  • バックエンドエンジニアとしての経験が積めること
  • フロントエンドのモダンなフレームワークを用いた経験ができること
  • 一からサービスを実装する経験を積めること

の3つの経験を積むことを目指し入社した。

本当に苦しい1年半だったが、結果的に、この3つとも経験できたことに関しては満足いくものだった。

# どんな業務内容を行なっていた?

この1年半で3つのプロジェクトに参画した。順に振り返りたい。

## 2017年4月〜2017年8月

保守・運用のタスクに携わる。

前々職のマークアップエンジニアの仕事だったことを生かしてのHTMLメールのコーディングから始まり、テスターとして、単体テスト、シナリオテストのテスト設計から実施までを行なったりした。

1ヶ月が過ぎたころ、同じ案件の新規開発の案件にも参画し、Symfony(PHP)でバックエンドAPIを書いて、Angular2でSPAを実装していた。ただ、この頃はWebアプリケーションがなんたるかについて、まるで分かっておらず、ふんわりした理解の中でどうにかしてどうにかしていたのだった。

他のベンチャーが内情がどういうようになっているのか知る由もないが、思うに創業期はみんな苦しい。創業者も働いている社員もみんな苦しい。業務時間は長く、給料は下限ギリギリというか、みなし残業と称して定額働かせ放題となっている現状は労働法にたぶん違反しているが、こっちとしては経験を積まなければエンジニアとして独り立ちできず、どっちに転んでも苦しい状況の中であるため従わざるを得ない。たぶん、このような状況下にある若い人はたくさんいるのではないかと思う。

## 2017年7月〜2018年9月

夏のはじめ、新規開発を受託することになった。

7月ごろから11月の終わりまでRailsでAPIの実装を行った。最初はベーシックな機能である会員の認証機能などから実装を始めたのだが、そのころの僕は一人で開発を進められるスキルが無く、大変苦しい思いをした。嫌味や愚痴を言われながらも必死に食らいついていったことで、徐々にプログラミングってこういうものなのではないかと、その実態を触れるような実感を得られるようになった。

12月ごろ、バックエンドのAPI実装が一旦落ち着いた段階で、パートナー企業が実装していたフロントエンドの静的なファイル群とつなぎ合わせる。後で他の企業の開発の進め方について調べる中で分かったことだが、このような最後にガッチャンコするやり方は大抵上手くいくことはない。アプリケーションは生き物だとはよく言ったものだが、このようなやり方では想定できない要因が多いからだ。

本来行うべきだったのは、一機能ごとにサーバーAPIをフロントエンドとつなぎ合わせ、ブラウザ上に描画しながら、短期間で実装〜テスト〜調整を行うべきだった。結果論だが、この苦しい経験のおかげでアジャイル、スクラムなどの開発手法への興味関心が深まり、勉強するきっかけとなった。

1ヶ月かけてようやく動くレベルまでつなぎこみが終わってから、お客さんからのデータの納品を待って、データベースへの流し込みを行い、全員でのテストを行う。見つかったバグを2ヶ月かけて修復し(また、仕様が曖昧なものは仕様策定から取り掛かり実装するという)、なんとか4月のはじめにリリースに漕ぎ着けた。

このころの僕は心身ともにボロボロだった。

ただ、一方で、一つのサービスの開発をはじめから終わりまで携わることができ、バックエンドAPIの実装ができるようになったことや、かつては苦手意識があった生のJavaScriptの実装の苦手意識を払拭できたことなど充実感も得られた。

## 2018年4月〜2018年9月

4月から新しく同い年の新入社員が入ってきた。同年代と一緒に仕事をするのが思っていたより楽しい。お互い得意な領域が違うからお互い補完し合うような立ち位置で仕事ができたのがよかったのかもしれない。

ただ、まだお互いエンジニアとしては未熟であった。ぼくらがもっとスキルさえあれば苦しむことは少なかったかもしれないが、実力が不足していることに起因し、自身を傷つけることが多かった。

# これからエンジニアを目指す人へ。または、IT業界が健全になっていくにはどうすれば良いのか?

ブラック企業だった。

ブラック企業はヤクザと同じだ。

労働者は自分の労働力を経営者に売っている。安く買い叩かれた場合、貧困へと向かう他ない。安く買い叩くとは、残業代を支給せずに働かせたり、私生活に影響が出るほど労働時間が長くしたり、精神的に追い詰められる状態などに追い詰めるものだと思ってもらえばよい。

労働者は、ブラック企業に搾取されてはならない。
特にまだ若いひと。これからエンジニアを目指そうと思っている人。

ブラック企業の特徴を挙げる

  • ビジネスモデルの収益性が悪い。
  • 年収300万〜、月収だと総支給20万前後と記載されている。
  • みなし残業(40hとか)。
  • なんでも言い合える雰囲気があるとか、過剰な仲が良いアピールが記載されている。
  • 人が少ない。または、人が増える気配がない。
  • 家族経営。
  • 仕事の責任の所在が曖昧(または職務領域が広い。実装からクライアントとの仕様調整、スケジュール調整など)。

IT業界が健全な方向に向かっていくために以下の2つはマストで必要だ。

  • IT業界の多重下請け構造の解消(またはエンジニアの内製化)
  • 解雇規制の撤廃(または雇用の流動性を上げること)

また、労働者がブラック企業のくじを引いてしまった場合は、すぐに辞めてしまうことだ。ブラック企業が無くならないのは、そこに労働力が供給され続けるからだ。

最後に、ソフトウェアエンジニアという仕事は大変おもしろく、かつ社会的に価値がある仕事だと思っている。

日本のIT業界の悪しき風土が健全化され、エンジニアを目指そうと思っているこれからの若い世代が気持ちよく働けるような社会になることを祈っているし、自分にも何かその一助になるような活動ができればと思う。